西遊佐まちづくりセンター
西遊佐まちづくりセンター
所在地:山形県飽海郡遊佐町
主要用途:集会場
構造:木造一部鉄骨(既存)
規模:地上1階
建築面積:907.64m2(増築:419.60m2)
延べ面積:883.84(増築:414.69m2)
竣工:2016年
構造設計:石山建築研究所
照明コンサルタント:梅田かおり(Lighting Design Studio LUME)
施工:土門建設
撮影:越後谷出
廃校になった小学校用地に計画されたまちづくりセンターである。プロポーザルにて設計者として選定され、住民ワークショップを重ねながら設計は進められた。
既存施設の隙間を縫うようなL型の平面配置と高低差をつなぐ緩やかなスロープによって既存の体育館・グラウンド・駐車場を接続させている。
「立ち寄りやすさ」が求められたため、シーンに応じた様々な使い方が想定される土間サロンや和室を建物前面に配し、賑わいの表出をねらった。
一方で管理者が常駐する事務室は施設中心部に配し、施設全体に目が届くように配慮している。
狭隘な隣接状況から大振りな窓を空地や眺望を狙って設け、さらに高窓からも採光を取入れている。
これらのクランクやスキップフロア、折り上げ天井は、内部の諸室をゆるやかに分節/接続することで利用者が各々の居場所を見出だす建築的な補助線となっている。
また海からの厳しい冬の季節風をふまえ、屋根は凍害や落葉を考慮しSUS防水による緩勾配の片流れとし、外壁は防火構造とした上で砂による摩耗や塩害・雪害に配慮し焼杉板張りとしている。
構造は砂質地盤に有利なべた基礎と一般流通材による無理のない在来工法とし、床下と小屋裏はメンテナンス性を考慮した設備スペースとして活用している。
地域のまちづくりの拠点を、廃校となった小学校の諸施設を活用しつつ、利用者及び管理者との対話を通して、その土地に根ざした技術で無理なく実現している。