谷間の家

谷間の家

谷間の家

所在地:宮城県
主要用途:専用住宅
構造:木造
規模:地上2階
建築面積:114.27m2
延べ面積:151.24m2
竣工:2025年

構造設計:石山建築研究所
施工:共栄ハウジング

撮影:SOYsource

商業地域に位置し、周囲を高層の集合住宅や大学に囲まれた都市型の住宅の建て替えプロジェクトである。10階建程度の建築に囲まれた谷間のようなロケーションで、日射が敷地に届くのはごく限られた時間になる。建替え前の建築は壁面に開口部が設けられていたが、採光条件が悪く、常時照明を必要とするものだった。

都市計画的な視点で見れば、多層に積み上げ容積率を使い切るように床をつくるのがセオリーなのかもしれないが、先祖から譲り受けた土地に、大切に住まい続ける選択をされたオーナーのための住宅である。今後、縮小を余儀なくされる地方都市における都市型住宅のひとつのあり方を模索したものである。


ご夫婦お二人の住まいと、まもなく独立を迎えようとしているお子様お二人のための空間、そして来客が非常に多く、ご友人の方々との時間を大切に過ごせる空間が求められた。キッチンと一体化された大きなダイニングテーブル、ごろんと身体をやすめられる小上がり状のタタミスペース。ダイニングと連続する屋根付きのテラス、ご主人の作業スペース。寛いで話ができる第2のリビングを兼ねた玄関、それらが緩やかに連なる空間が求められた。


必要面積からほぼ平屋に近い2階建のボリュームとした。


周囲は高い壁に囲まれており、光は上方に求めるしかない。メインの採光をトップライトとして、空からの光の下に、必要な室を配置した。大きなワンルームのような空間の中央に小上がりと水回りのボリュームを配置し、ダイニングと玄関リビングを緩やかに分けた。このボリュームは屋根まで届かない高さとすることで、上からの光を反射・透過させるスペースを残した。11個のトップライトで光を満たす、谷間を感じさせない明るい広がりをもつ空間にした。


コンクリートの床と、合板の壁・天井。梁や野路板が表しになり、ラフな質感の空間とした。ものづくりがご趣味のオーナーが将来に渡って、「味付け」を楽しめる余地をあえて残した。手を加えることで、どんどん成長させてもらう住まいを目指した。

SOY source 建築設計事務所 | SOY source architects
タイトルとURLをコピーしました