八幡平の山荘

八幡平の山荘

所在地：岩手県八幡平市
主要用途：別荘
構造：木造
規模：地上２階
建築面積：104.95m2
延べ面積：139.63m2
竣工：2009年
施工：東野建設工業
構造設計：石山建築研究所

第５回東北住宅大賞奨励賞

岩手山を望む、岩手県八幡平に建つ別荘です。

敷地を訪れた時、周辺の自然環境のすばらしさに驚きました。深い木々に囲まれた最高の敷地に、その恩恵を享受できる建築を設計したいと考えました。

東京にお住まいのご家族ですが、将来的にはこの別荘に移り住む可能性があることを踏まえ、別荘としての贅沢な空間のあり方と、機能的で快適かつコンパクトな計画を両立させることを目指しました。

森の中における、建築の佇まい。その点を最大のテーマとして設計を進めました。建物全体を濃い色をベースとして周囲にとけ込ませるとともに、もともと立っていた木々をできるだけ伐採しないよう、配置計画を入念に検討しました。

外部の自然環境を最大限取り込めるように配置した、大きな屋根付きのデッキスペースや、それと連続して拡がるリビング。冬季の積雪は１ｍにも達する多雪地域であるため、基本の床高１ｍとしつつリビングは60cmほど掘り下げました。冬季には雪面よりわずかに沈み込んだコージーな空間となります。また、夏季は食事の大半を屋外でされるということもあり、屋根と大きな蚊帳で守られた天候に左右されにくいデッキスペースとしました。

外部空間を満喫しながらゆったりと時間の流れる浴室。敷地には温泉が引き込まれており、この贅沢な環境を目一杯利用することを目指しました。

夏も冬も、周辺の自然環境に包まれながら、あるいは一体となって、快適な時間が流れる空間となることを期待しています。