富谷ファミリーメンタルクリニック

富谷ファミリーメンタルクリニック

富谷ファミリーメンタルクリニック

所在地:宮城県富谷市
主要用途:診療所
構造:S造
規模:地上1階
建築面積:239.06m2
延べ面積:234.54m2
竣工:2014年

設計協力:谷口みのり(アーバンスケープ)
構造設計:市場構造事務所
照明コンサルタント:長谷川裕之(Love the Light)

家具:渡辺吉太(アトリエセツナ)
施工:巧友技建工業
撮影:
越後谷出

第36回東北建築賞作品賞

郊外住宅地に建つ心療内科系の診療所である。用途上、患者に過度なストレスを与えない空間の親密さと、人と人との適切な距離感の両存が建築には要求された。

そこで大小の中庭を複数設け、自然光や外気を導きつつ、内部に多様な距離感と明るさの濃淡をつくり、患者間あるいは待合室と診察室とをゆるやかに分節/接続させた。待合はスタッフが目配り出来る一室空間としながらも、中庭によってクランクやアルコーブがつくられ、様々な居場所が生まれている。待合と中庭を介してつながる会議室では、セミナー等の多目的な利用も想定しているが、これは医者と患者の関係に留まらない、地域社会と接する空間的余地としてクライアントが望んだものでもある。空調・換気・照明・音響等の設備群はポケット状の天井折り上げに集約し、意匠上整理している。


店舗が建ち並ぶ車通りの多いエリアに立地するため、患者のプライバシーに配慮し、かつ北西からの卓越風に対応するために、外周部は開口を抑えている。外観は壁がちで堅牢な印象であるが、外壁に張られた木板は年月と共に風合を変え、郊外の振興住宅地の風景に馴染んでいくことだろう。 


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