F先生の家

F先生の家

F先生の家

主要用途:専用住宅
構造:木造
規模:地上2階
建築面積:145.29m2
延べ面積:182.91m2
竣工:2014年

構造設計:NEO構造設計
キッチン:ホルツ
施工:巧友技建工業
撮影:越後谷出

施主は東日本大震災で津波により家財すべてを失ったご家族だった。育ち盛りの4人の子どもを持つご夫婦で、新たな住まいにあたっては子どもたちをのびのびと遊ばせることができるおおらかな家がご希望であった。

敷地は、仙台郊外の新しいベッドタウンにあり、周辺でもいたるところで新築の工事が進んでいた。
東西2面で接道しており、南側は平屋の隣家がすでに建っていたが、レベルが若干下がっており、ほどよい住環境と言えた。南側にまとまった広がりをもつ陽だまりの庭を確保し、北寄りに建築を配置した。

子どもたちがのびのびと遊べ、家族がどこにいても安心して見守ることができる住まいというニーズに対して、われわれ選択したのはぐるぐると回遊できる形式である。
アイランド型のキッチンを中央に、玄関・クローク・パントリー・畳間・リビングダイニング・水回りがぐるりとリング状に連なる。リビングダイニングは吹き抜け、吹き抜けの周りを囲い込むように2階では寝室群がバルコニーでつながり、やはりリングを描いている。リングは屋外にも拡張し、玄関、パントリー、リビングの各所から外との行き来ができ、庭とつながっている。


いくつものリング状の動線を描くことのできるプランで、家族がつながっている。

仕上げには珪藻土、フローリング、木製サッシをつかい、肌触りのよい落ち着いた内外装を実現するとともに、駐車場を兼ねたアプローチの屋根には、敷地のわずかな傾斜を活かした形態を採用することで、単調なボリュームに変化を与えられた。


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